11月24日（水）
くつろぎどころ五峯庵は、
築150年の「庵」で伊勢路の再現料理を
1日1組限定でもてなす料理屋。
器も五味氏が焼いた陶芸作品が何点か登場する。
まさに、目で楽しむ。味覚を楽しむ。
一口一口が
食べる人に驚きと感動を与えてくれる。
まずは五味貞介直筆のお品書きが置かれる。


先付けとして、さめのたれとりんごのおろしと刻みねぎの和え物。
和の素材に果物を足すことで、味わったことのない一品に変わる。

2番目には、からすみをイカで巻いた、
見た目お洒落なデザート風の一品
これも、噛めば噛むほど、
「うんうん。」としか表現の出来ない初めての味。
簡単に「美味しい」と言ってしまっては失礼だと感じるほどの
お料理の腕前。
3番目に登場したカニのほぐし身はブルーベリー味。
ここでもフルーツをうまく組み合わせている。
こちらは・・・


お吸い物で、片口蒸し。（土瓶蒸しのようなお吸い物）
ハモ松茸、ギンナン、三つ葉、鳥のササミなどが入っていて
身体も心も温まる一品。マツタケも銀杏も新鮮でホクホク。
五味氏が焼いた器はそれぞれが手作りのため、
お父さんの器と松山さんの器と私の器、見た目同じでも全て違う。
注ぎ口のかんじを見れば、よくわかり、手作りの暖かみを感じる。
料理の素材は自分の手で仕入れもやって吟味して
伊勢の素材を使ったお料理を提供する。
若い方には若い方向け、年配の方には
年配の方向けにと年齢層に合わせた
味付けをする。それが料理の心と話される。
向付けはイカの姿煮の中にイカがぎっしりつまった一品。
五味氏の味付けの基本は薄味で、調味料はあまり使わず
しっかり素材の旨みを引き立てている。
続いて、神之敷
数々の雑誌でも必ず紹介される陶板に盛り付けられたお料理。

陶板の上にはなまこの卵巣の干物、モズク酢、野菜の煮物など
串刺しのさつま芋。

こちらさざえは、アワビのバター焼きと似ていた。
右側は野菜の包み焼き



伊勢海老には塩コンブとレモン・・・
伊勢海老と塩昆布がこんなにも合うなんて。


そして頭を味噌汁に・・・・

続いてのお料理は、アワビは海水に近い塩味のお水に
フルーツと漬けてあり
アワビのコリコリ感とフルーツとの組み合わせが
意外にもよく合っていました。
説明はこれくらいにして・・・あとは皆様、ぜひ五峯庵さんに行かれて
奥様のご説明に耳を傾けながらのお食事をお楽しみ下さいませ。
こちら五峯庵さん、
open前から「10年経ったら閉める」と決められて開かれた料理屋です。
その時期もだんだん近づいてきているので、とても寂しい思いデス。
このホームページは、2003年1月末に公開しました。
五味氏がお父さんの目を見て
「自分の若い時の目と似ている」と
おっしゃってくださったことが印象的でした。
五味さんの友人である二見の旅館「まつしん」さんからの
薦めがあったからかもしれませんが、きっと契約してくださったのは
お父さんのこの仕事に対してのやる気を感じてくださったからだと思うんです。
五味さんは、本当に豪快に笑い、力強く話しをされ、自信に満ちた人・・・・
南極に２度も厳しい試験を突破し、料理隊長とし出陣され、その地の砂を持ち帰り
壁に塗った人。。
信念を持って生きて、人の真似を嫌う人。
嘘・偽りが大嫌いな人・・・心から尊敬してしまいます。
味覚にもきびしく、市販では気に入ったお漬物がないから
ご自分で漬けられている。
お料理も、器も、字も、絵も、とても繊細で個性豊かで・・・
千秋楽に近づき、お茶漬けをすすったときに蘇った想い出があります。
２００３年の冬、
自分たちが貯金も減る一方だった起業したてのこと。
取材のときに、夜遅くなり、アナゴの茶漬けを出して下さったんです。
内心「一食浮いた」と思いながら食べた、あのお茶漬けの味を思い出し、
「初心忘るべからず」
たくさんのお客様に支えられてこそ
今の自分たちがあることに感謝して。
近々お店を閉められる日が来ても、このホームページは
ずっと残しておきたいと思うのでした。
http://www.isesima.net/gohoan/

この記事のライター紹介

伊勢乃志摩子
WEBデザイナー&カメラマン&ブロガー&ユーチューバー
住まい：三重県志摩市横山展望台から見える伊勢志摩国立公園の中
高校時代からの趣味は写真📷ウェブサイト制作歴 22年